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「海のシルクロード」交易 西大寺旧境内で国内最古イスラム陶器
奈良時代末期(8世紀後半)の平城京に称徳天皇が建立した西大寺の旧境内(奈良市西大寺新田町)で、西アジアで生産されたとみられるイスラム陶器の破片が出土し、同市埋蔵文化財調査センターが3日、発表した。青緑釉(せいりょくゆう)大壺とみられる日用の容器で、国内最古の出土例。古代の海上交易路「海のシルクロード」によって運ばれたと考えられ、同センターは「奈良時代の国際的な文化交流を知るうえで一級の資料」としている。
イスラム陶器が平城京跡で見つかるのは初めて。外国使節を迎えた福岡市の鴻臚(こうろ)館跡などで出土した破片より約1世紀さかのぼる発見で、すでに海上交易路が奈良まで続いていたことを示すという。
住宅建設に伴い、現在の西大寺西側の旧境内約320平方メートルを発掘。東西にのびる溝跡から、陶器片のほかに、神護景雲2(768)年の墨書のある木簡や瓦などが見つかった。
陶器片は壺の胴部や底部に当たる計19点で、最大のもので約10センチ大。釉薬(ゆうやく)が施され、表面は鮮やかな青緑色をしていた。復元すると高さ50センチ以上になり、水や油などを入れた壺と推定。釉薬や材料の土は、鴻臚館跡で出土したイスラム陶器片と一致した。
イスラム・アッバース朝(8世紀中ごろ成立)のものとみられ、飲食物や香料を入れ、中東からインド洋、中国沿岸を海路で平城京まで運び込まれたらしい。
陶器片は6〜31日に奈良市大安寺西の市埋蔵文化財調査センター、8月10〜31日に同市役所で公開される。
佐々木達夫・金沢大教授(東西文化交流史)の話「陶器は現在のイラクで生産されたのではないか。容器として使われ、海上交易の象徴的な品といえる。当時のアジアの文化交流ネットワークに日本も加わり、奈良が陸に加えて海のシルクロードの終着点ともいえることを示している。異国情緒あふれる陶器の色は幻想的に見えたことだろう」


