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【次代への名言】7月2日・ジャンジャック・ルソー『社会契約論』
■「自分の自由を放棄することは、人間たる資格、人間の権利を、いな、人間の義務をも放棄することである」(ジャンジャック・ルソー『社会契約論』)
「人間は自由なものとして生まれている」とは、約250年前につづられた『社会契約論』(引用・角川文庫)の有名な書き出しだが、冒頭の一文を読めば、ルソーは自由を「人間のすべて」と考えていたことがわかる。
では、自由がないとどうなるのか。「市民が奴隷状態に陥って、恐怖と阿諛(あゆ)が投票を喝采(かっさい)に変える」−。この警句はいまなお、真実の光をはなっている。
独学で思想と文学に不滅の足跡を残したルソーは、「近代の父」と呼ばれる。が、生前は孤独だった。「こんなに燃えやすい感覚をもち、愛のかたまりのような心」(岩波文庫『告白』)は“同志”をみつけ得ず、逆に人間嫌いとなった。また、フランス革命でその真価がわかる『社会契約論』や『エミール』は発禁処分を受け、逮捕状も出た。彼は妻とともに欧州各地を転々とし、生活は窮した。
革命の11年前にあたる1778年のきょう、ルソーは没した。最晩年の彼は、静かな悟りの境地に達していたようだ。未完の遺作『孤独な散歩者の夢想』に、こんな一文がある(新潮文庫から)。
「幸福というのは、一つの不易の状態であるが、この世では人間にとって誂(あつら)えむきにできていないらしい」