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【「イソップ」からの伝言】自分を守ってくれるのは何か

2009.6.23 08:09
このニュースのトピックス自衛隊

 「水辺の鹿(しか)」という一人(匹)芝居めいた話がある。これも岩波文庫版の「イソップ寓話(ぐうわ)集」から要約する。

 泉で水を飲んだ鹿が水に映る自分の姿を見て、大きな角が見事に枝わかれしているのを得意になった。しかし脚が細くて弱々しいのが悲しい。そこへライオンが現れたので、一目散に逃げて引き離した。

 しかし樹木の生い茂る場所に来ると角が枝にからまり走れなくなり、ライオンに捕まってしまった。鹿が殺されるまぎわに独りごとして言うには「ああ、情けない。裏切られると思っていたものに助けられ、一番頼りにしていたものに滅ぼされた」。

 イソップは「このように危難に際しては、疑われていた友が救いとなり、信認篤(あつ)い友が裏切り者となることがよくあるのだ」と結ぶ。

 何が自分を守ってくれるのか、見極めることは案外難しい。日本の安全保障を考えてもそうだ。

 日本人の中には、戦後の日本がどこからも侵略を受けず、安全でおれたのは日本国憲法、特にその9条によるものと信じている人もいる。だが、日本人には日本国憲法を守る義務があるが、他国の人にはない。だから憲法で守られているというのは、日本人の思いこみでしかない。逆に施行後60年以上もたてば、鹿の角のように国際協調を阻害することにもなりかねない。

 そうではなく、日本の安全を守ってきたのは、いわゆる進歩的文化人らが忌み嫌った日米安保条約、つまり日米同盟と日陰者扱いされてきた自衛隊という「軍事力」だった。それが他国に対する最大の抑止力になってきた。そのことを冷静に判断できるか、今の日本人に問われている。(皿木喜久)

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