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【露地庵先生のアンポン譚】森村泰昌 第21話 「頑固モン」考 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:迫る裁判員制度
平成20年度に話題になったふたつの「石」がある。ゴルフの石川遼選手と柔道の石井慧選手である。石川遼選手のほうは、まわりへの気配りも完璧(かんぺき)だし、競技に取り組む姿も真面目。人々に与える好感度は相当に高かった。しかし弱冠17歳にして、あれだけの周囲の馬鹿騒ぎをはねのけて競技に専念できる人なのである。品行方正な青年という外見のイメージに反し、意外と本人の内側には秘めた「頑固モン」がいるのかもしれない。
対照的に、北京オリンピックで金メダルを獲得した柔道の石井慧選手のほうは、自分の思ったことをあけすけに発言してはばからない性格であった。一瞬、柔道一直線を貫き通す、昔気質の「頑固モン」の登場かと錯覚したが、見事に体をかわし、プロ格闘技へのトラバーユを決め込んだようだ。世間の空気を読みつつ巧みな変わり身を見せたところは、なかなか今時の若者である。
ふたつの「石=石川&石井」における「頑固」のありようを想い起こしつつ、外見も内面もひたすら頑固一徹な、絵に描いたような「頑固モン」はすっかり影をひそめたなあと、いささか感慨深い。
現代は、頑固であることを許さない時代である。電気製品やガス器具にしても、古くなれば発火事故やガス漏れが取り沙汰される事になる。道具を古くなるまで頑固に使い通すことは、美徳であるどころか、逆に危険行為として批難される時代なのである。
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