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【次代への名言】1月3日・T・E・ロレンス

2009.1.3 02:48

 ■「私の夢は、命のある限り、その時が近づきつつあった新しいアジアの建設に全力を尽くすことだった」(T・E・ロレンス『知恵の七柱(ななはしら)』)

 第一次世界大戦が末期に近づきつつあった1917年のきょう、のちのイラク国王、ファイサルが率いる数千の軍勢がアラビア半島の東岸にあるイェンボ(現サウジアラビア)を出発した。一人、そのなかに白と赤の民族衣装をまとった英国人将校がいた。「ちび」ではあったが、強靱(きょうじん)な頭脳と体力の持ち主、T・E・ロレンス。彼は「その日、丘陵は美しかった」と記している。アラブ独立運動における「アラビアのロレンス伝説」のはじまりだった。

 伝記、映画、さらに自著でさまざまなロレンス像が語られているが、彼には理想主義と現実主義、自己顕示欲と世捨て人の心が混在しており、その全貌(ぜんぼう)をつかむのは難しい。だが、冒頭のことばにあるように、彼が人生のいっときを「夢の実現」に捧(ささ)げたことに間違いはない。

 ロレンスの帰国後、彼のゆかりの地では飛行機が到着するたびに数十人のアラブ人が駆けつけては「オーランス(彼はそう呼ばれていた)はいない」とつぶやきながら飛行場をあとにする−。そんな光景が1年も続いたという。

 オーランスはいない。それは、その後の中東の歴史、ひいては米国主導のイラク戦争の混迷の一因でもある。

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