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【ぶっちゃけインタビュー】歌人、画家 小黒世茂さん(60) 熊野に胸を熱く焦がして (1/3ページ)
熊野に思いを込めた1首を。
静かさをおしひらきつつ熊野には血の花いろの朝焼けがある
このほど出版した随筆集に収録した歌です。熊野を話す前にまずは私の名前から。正真正銘の本名ですよ。風変わりな名前が好きだった父がつけました。長女は十音(とね)、次女が響(ひびく)、私は三女。3人あわせると「音が響くよもの山々に」となる。語呂合わせがいい、と考えたそうです。
熊野には子供のころから、あこがれていました。祖父から熊野詣でなどいろんなことを聞かされていましたから。短歌を作り始めて20年になりますが、10年ほどたったころ、ようやく「熊野を詠みたい」と思うようになってきました。資料を集め、熊野古道を歩いている自分をシミュレーションしてみたんです。重い足取りで熊野詣でする私の姿が立ち上がってきて、歌が次から次へとできてきました。それを30首まとめて短歌雑誌に応募すると「歌壇賞」を受賞できました。
これを機に一区切りつけてもよかったのですが、もっと詠まないと熊野の山や神、生き物や人々に申し訳ない。そんな気がして、通い始めたら、もうとまらなくなり月に2回は行きました。
* *
通い出したら知り合いが少しずつ増えてきて、暮らしぶりを見せてもらえるようになってきました。コンニャク作りや炭焼き、墨作り、山蜜切り、イノシシ猟や野生のウナギとりの現場にも連れてってもらいました。そうそう、1400年以上続く勇壮な火祭りに、2人の息子を参加させてもらったこともありました。土地の人に出会い、土地の大木や磐座(いわくら)、山や川に出合う。そうこうするうち、この10年があっという間に過ぎてゆきました。
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