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野間文芸賞・町田康さんと新人賞・津村記久子さん 喜びと抱負

2008.11.17 09:26
野間文芸賞の受賞が決まった町田康さん(左)と、同新人賞の津村記久子さん=東京・内幸町の帝国ホテル野間文芸賞の受賞が決まった町田康さん(左)と、同新人賞の津村記久子さん=東京・内幸町の帝国ホテル

 ■「自分の小説の形、固めない」

 今年の野間文芸賞(野間文化財団主催)を獲得した町田康さんと、同新人賞の津村記久子さんが都内のホテルで会見して、喜びと抱負を語った。

 町田さんの受賞作『宿屋めぐり』(講談社)は執筆に7年を要したという600ページの大作。主の命を受けて大権現へ大刀を奉納する旅をする主人公が、善と悪、真と贋が複雑に入り組んだ世界に入っていく。「本当のことと思っていることが実は全然根拠のないものだったり、身もふたもない本当のことをいわれるといやな気持ちになったり。常に何かが反転しているところが人間の中にはある。そういうところを小説で書いてみたかった」と町田さん。平成9年にデビュー作『くっすん大黒』で野間文芸新人賞を受賞してから11年。「足もとしか見えない暗闇を手探りで来た。重要な賞を受けたからといって、自分の小説の形を固めないで、1作ずつ書き続けていきたい」と抱負を語った。

 津村さんの『ミュージック・ブレス・ユー!!』(角川書店)は、音楽好きな女子高校生の一見さえない日常を、キュートに描いた青春小説。選考委員の作家、松浦理英子さんは「性的あるいは芸術的に利用され消費されてきたのではない、新しい少女像をナチュラルな筆致で端正に描いている」と評した。

 「“受賞さしてあげる詐欺”と思った。本当にうれしい」と、ユーモアを交えて喜びを語った津村さん。「私がこの本のままの高校生だったというわけではないけれど、音楽を聴くこと以外何も持っていない、という点では同じ。それを全力で肯定する小説を書けて満足しています」と話した。(海老沢類)

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野間文芸賞の受賞が決まった町田康さん(左)と、同新人賞の津村記久子さん=東京・内幸町の帝国ホテル
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