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来月「源氏物語」千年紀 関連書籍、相次ぎ刊行 (1/2ページ)

2008.10.30 07:57

 「源氏物語」関連書籍の出版ラッシュがピークを迎えている。初の現代語訳として親しまれた与謝野晶子の訳が再び世に出たほか、絵巻を読み解くビジュアル本、解説書など多様な分野の出版が相次ぎ、今年刊行されたものだけで130冊を超えた。千年紀の11月1日を機に、華やかな王朝物語をあらためて読み直してみるのもいいかもしれない。(牛田久美)

 歌人、与謝野晶子は生涯で源氏物語を三度訳した。今年4月に刊行された『与謝野晶子の源氏物語』(角川ソフィア文庫)は初回のもの。当時は初めての口語訳として注目され、谷崎潤一郎、円地文子ら多くの訳者や学界に影響を与えたが、近年は入手困難となっていた。

 後の全訳と違って、恋愛を重視しているのが特徴。「若き光源氏の数多くの恋愛を描く上巻はテンポ良く、中年以降の複雑な恋愛と次世代の匂宮、薫、浮舟の三角関係を描いた中下巻は丁寧に恋愛の機微を訳している」と編集担当の田中隆裕さん。上田敏、森鴎外が発刊時に寄せた序文も収められ、現代の源氏研究の出発点としても読める。

 円地文子訳(新潮文庫)も復刊した。書店には与謝野の初訳と全訳、谷崎、円地、田辺聖子、瀬戸内寂聴ら多くの訳が並ぶ。読み比べるのも一興だろう。

 充実したのは、訳本だけではない。9月に刊行された『源氏物語天皇になれなかった皇子のものがたり』(新潮社)は現存最古の源氏絵、国宝「源氏物語絵巻」56面を収録している。

 昨秋パリで刊行されて話題になった豪華本のなかから「黄金の庭絵巻」も紹介。絵巻や写本をときの権力者がどう扱ったのかが詳述され、歴史ファンを中心に支持を得ているという。編集した田中樹里さんは「華やかな絵巻だが、臨終や禁断の愛など不吉な場面がきわだつ。権力者が源氏物語をどう描かせたのか、専門家に読み解いてもらった」と話す。

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