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生きる思い託した160首 難病と闘う患者の短歌集、静かな反響 (1/2ページ)

2008.10.28 08:12
『しあわせの王様』(舩後靖彦、寮美千子共著、)『しあわせの王様』(舩後靖彦、寮美千子共著、)

 全身の筋肉が衰え寝たきりとなる難病、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)(ALS)と闘う千葉市の舩後(ふなご)靖彦さん(50)が、自身の半生と、懸命に生きる日々の思いを短歌160首に託した著書『しあわせの王様』(小学館)が静かな反響を呼んでいる。共著の奈良市在住の作家、寮(りょう)美千子さん(52)は「心のあり方ひとつで、絶望も希望につながることに気づいてほしい」と話している。(中島幸恵)

                   ◇

 舩後さんは、商社マンとして活躍していた平成11年、突然、ALSを発症した。当時41歳。進行が早く、有効な治療法もない病に、失意のどん底だった矢先、主治医から同じALSに苦しむ患者仲間を助ける活動のピアサポートを紹介された。

 この活動に参加したことをきっかけに、自分と同様、医師の告知に狼狽(ろうばい)する患者に対し、舩後さんは障害者用のパソコンを使って、症状や生活のアドバイスをした。

 「ありがとうございました」。青ざめた顔から笑みが戻った患者を前に、舩後さんは「いまできることをやり抜くことが多くの人の励みになる」と確信。作詞や短歌、講演にと精力的に表舞台に出るようになった。

 寮さんとは4年前、知り合った。高校時代を同時期に千葉市内で送ったこともあり、意気投合。だが、舩後さんが書きつづった詩の数々を読んだ寮さんは、違和感を覚えたという。

 「『生きることは楽しい』って叫んでいるばかり。カラ元気で空虚な感じが痛々しくて…」とふり返る寮さん。「短歌なら三十一文字に思いの丈を込めることで、感情がダイレクトに伝わりやすい。短歌で自伝をつづってみたら」とすすめたところ、1カ月後、100首もの歌が送られてきたという。

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『しあわせの王様』(舩後靖彦、寮美千子共著、)
唯一動く額に取り付けたセンサーをマウス代わりにしてパソコンを駆使し、短歌を詠む舩後靖彦さん(左)と寮美千子さん=千葉市内(後藤充さん撮影)
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