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【次代への名言】10月9日

2008.10.9 03:35

 ■これからの日本は海運と貿易を興すことが第一です(岩崎弥太郎)

 岩崎弥太郎(1834〜85年)は三菱財閥の創始者。彼がまだ土佐藩士だった明治3(1870)年のきょう付の日記に、「藩営商会の看板を下ろし、土佐開成商社と披露したく…」などという文章がある。結局、名称は土佐の荒波と前藩主・山内容堂の雅号「九十九洋(つくもなだ)」にちなんだ「九十九商会」に落ち着く。現在の三菱グループの芽生えである。

 岩崎は当時、土佐藩大阪藩邸の重鎮だった。それが私企業の経営に乗り出したのだ。ある友人が藩命を受けて、「民」のことなどほどほどに−と忠告にきた。すると、岩崎弥太郎は冒頭のことばを述べ、「今の土佐藩の重箱の隅をつつくようなやり方では到底だめです。一緒に国のために働いてくれませんか」(岩崎弥太郎伝・下巻からの要約)と説いた。

 起業した岩崎は、欧米のライバル社との激しく、厳しい競争に勝ち抜くことによって、日本にいちはやく「海運業の自主権」をもたらした。「古来の学者は天下の政治に着眼しても、国家の富強がいち個人の事業の集積であることを知らない。遺憾だ」(同)。岩崎は晩年、ある政府高官にこう語ったという。

 「民」こそが国を動かす主役である−。岩崎の志は現代に通じる。

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