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【科学】日本、若者の理科離れ心配 ノーベル化学賞受賞のクロトー氏
炭素原子60個からなるサッカーボール状の新物質「フラーレン」を発見し、1996年にノーベル化学賞を受賞した英国人のハロルド・クロトー氏(68)が来日し、産経新聞の取材に応じた。クロトー氏は現在、米フロリダ州立大の教授として、ナノテクノロジーによる「持続可能な社会」の実現を模索する一方、親日家としても知られている。(小野晋史)
−−フラーレンは、どのようにして「持続可能な社会」に貢献しますか
「近い将来、安価な太陽電池に応用できる可能性が高く、発電効率を5〜10倍に上げることができる。また、医療分野への応用も期待している」
−−医療に用いた場合、悪影響は生じませんか
「問題は生じるかもしれないが、物事には必ずマイナス面がある。それだけを見ていたら研究は進まないので、問題を認識し、慎重に対処することが大事だ」
−−ナノテクノロジー分野で注目している日本人研究者を教えてください
「特に挙げるならば、カーボンナノチューブの研究で非常に著名な信州大の遠藤守信教授と、名古屋大の篠原久典教授だ。篠原教授の下では、私の教え子が学んでいる」
−−この2人や、カーボンナノチューブの発見に貢献した名城大の飯島澄男教授が、ノーベル賞を受賞する可能性はありますか
「3人ともナノテクノロジーへの理解を深めることに大きく貢献した。だからチャンスはあるが、1つの受賞の裏には必ず十数人の候補者がいるので、決定的な判断はしかねる」
−−科学者として、日本の長所と短所を挙げてください
「今の日本は、ここ数十年に及んだ基礎科学への投資の成果を享受している。ナノテクノロジー分野でも高水準だ。一方、私は若い世代の理科離れを心配する。私は毎週、中国やインドの研究者から共同研究を頼まれるが、日本からは全くない。このまま行けば、ハングリー精神に満ちた彼らが次世代を担うことになるだろう」

