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【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ 民族の形成(8) (1/3ページ)
■地理的勾配が示す二重構造
≪「中心」と「周辺」≫
前回、現代日本人男性のY染色体の主要な型は、縄文人系と、弥生時代以降に大陸から列島にやってきた渡来人系の2つに大きく分けられることを紹介した。図1は、その縄文人系のハプログループ(変異を共有する型の集まり)と、渡来人系のハプログループをもつ人の割合を地方別に示したものだ。列島全体では、縄文人系と渡来人系で正反対の分布になっていることが分かる。
渡来人系の「O2」「O3」の合計は九州で最も多く、62.2%。これに対し、縄文人系の「D」は、九州(26.4%)や徳島(25.7%)で最も少なく、そこから離れるほど増える。
日本民族形成モデルの定説「二重構造論」は、列島人は縄文人の子孫と弥生時代以降に拡散した渡来人の子孫の混血によって形成され、基層集団(先住集団)である縄文人的な体質や遺伝子は、渡来人拡散の「中心」だった北部九州や西日本から離れた「周辺」の地方、特に沖縄や北海道アイヌに色濃く残る−とする。
北部九州に近い地方に渡来人系の型が多く、離れるにつれて縄文人系の型が増えるというY染色体の分布状況も、二重構造モデルと合致する。米アリゾナ大のマイケル・ハマー准教授らに協力してY染色体のデータ収集にあたった田嶋敦・東海大助教は「列島全体の分布状況は、『O2』『O3』が渡来人系と判断する根拠の一つ」と話す。
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