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【聖地巡礼】キリストの墓(下)日ユ同祖論との接点 (1/3ページ)
6月の第一日曜日。青森県新郷村の「キリストの墓」は村民と観光客、取材の人々でごった返す。「キリスト慰霊祭」である。初めて行われたのは昭和39年のこと。以後毎年欠かさず実施され、今年で45回を数える。
まず神職が「キリストの墓」の前で祝詞を唱え、村人が獅子舞を演じる。そして太鼓のリズムに合わせて呪文(じゅもん)のように繰り返される意味不明の唄に合わせて、浴衣姿の女性たちが輪になって踊る。盆踊りそのものだ。違うのは中心にあるのが櫓(やぐら)ではなく、「キリストの墓」であるということ。
唄の歌詞はこうだ。《ナニャドヤラー ナニャドナサレノ ナニャドヤラー》
この唄は新郷村だけではなく旧南部藩領(岩手県北部から青森県南部)に広く伝わるもので、他地域の人間には「ニャ」という音が耳につくためか、「南部の猫唄」とも呼ばれている。
◇
この歌詞をめぐっては、古くからさまざまな解釈がなされてきた。中でも世間を驚かせたのが、一戸出身の神学者、川守田英二が大正時代に唱えたものであった。彼は古代ヘブライ語の神をたたえるものだとして「お前に聖名をほめ讃えん お前に毛人を掃蕩(そうとう)して お前に聖名をほめ讃えん」と翻訳したのである。
一方、民俗学者の柳田国男は、祭りの日に異性に向かって呼びかける恋歌とした。いわく「なんなりとおやりなさい なんなりとなされませんか なんなりとおやりなさい」。なかなかエロチックな解釈ではないか。祭りの晩の「夜這(ば)い」のすすめとも受け取れる。
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