ニュース: 文化 RSS feed
【生きもの異変 温暖化の足音】(18)迫るハイマツ 高山植物の危機 (1/3ページ)
襟裳岬の西に位置する北海道様似(さまに)町のアポイ岳。標高は810・6メートルだが、高山植物の宝庫として知られる。5合目付近から山頂に向かう稜線(りょうせん)では今、アポイキンバイ、アポイアズマギクなどの高山植物が、かれんな花を咲かせている。
「10年ほど前までは、今よりずっと多くの花が咲き、この辺りでもヒダカソウが普通に見られたのですが…」
様似町教育委員会の学芸員、田中正人さんは幼いころから親しんできたお花畑の光景を振り返る。ヒダカソウはアポイ岳の固有種で、アポイ岳を象徴する花として登山者や高山植物愛好者の人気も高い。
「今年は高山植物の開花がいつもより約2週間も早かった。ヒダカソウは1輪咲いているのが4月下旬に確認されただけです」と田中さん。大型連休明けの今月7日、平年ならヒダカソウが咲き始める時期だが、ヒダカソウの花は見られなかった。
「開花が早かった年は、10年くらい前にもありましたが、ヒダカソウが1輪しか確認できないのは初めて。大異変です」
◇
約80種が自生するアポイ岳の高山植物群落は、1952(昭和27)年に国の特別天然記念物に指定された。日高山脈南端の「宝石箱」にもたとえられる世界的にも貴重な植生が、温暖化の影響で崩壊しかけている。


