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【青雲の大和】(217)国威をもって (3/3ページ)
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衛兵五人とともに王宮にもどったあと、文麻呂は守備兵の配置でごった返すなかを金春秋のもとへ走った。
王宮の回廊を駆け、中央の主閣にとびこんでいくと、金春秋が壇上に立って守備隊将兵を指揮しているところだった。あの王族らしい優雅な顔は、いまは血がのぼって真っ赤な鬼面に変わっている。
そばに軍装した守勝がいた。
「どうするのだ、これから」
喧騒(けんそう)のなか、文麻呂は大声できいた。
「女王を月城(げつじょう)にお遷(うつ)しする」
「月城へ?」
「ここでは守れないのだ」
月城は王宮のすぐ南にある山城である。規模は明活山城とは比べものにならないほど小さいが、王宮が危急のさい、いったん逃げこむために造られたもので、攻撃にはじゅうぶんに耐えられる、というのである。
しかし、反女王派の反乱部隊は、もう間近にせまってきている。王宮に敵本隊があらわれるまでに、はたして月城に逃げこめるかどうかである。