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【青雲の大和】(217)国威をもって (2/3ページ)
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みると、前方の山城から武装した部隊が隊列をなして、ぞくぞくと山腹をくだってくるところだった。山上の門からは、なおも兵が黒い塊になって押し出てきている。
守勝は二歩、三歩あとずさりすると、ものもいわず王宮へむけて逃げた。君解があわててあとを追った。
路上に残された衛兵五人は、山城をふりかえりながら退(ひ)いていく。まだ、あわてて逃げなければならないほどの状況ではないのを、兵は冷静にみているのである。
文麻呂はしばらく留(とど)まって、山城から下りてくる反乱部隊の兵数を目算してみた。
やはり四百人から五百人はいる。問題は王宮の守備隊が、この大部隊の攻撃に耐えられるかどうかである。
もし王宮が乗っとられ、女王が廃されるなら、新羅は唐の属領となり、半島に乗りこんでくる唐の大軍によって、百済(くだら)、高句麗も併合されてしまうであろう。そして、建国以来はじめて、大和の国が侵略される悪夢の日が、近づいてくるのである。
大和の使節団としては、なんとしても金春秋の指導する女王派に勝利させ、新羅の独立をまもっていかねばならないのだが、それにはどんな手が残されているか、であった。