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【竹内薫の科学・時事放談】粘菌 「頭の良い」単細胞生物 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:サイエンス・生物
しかし(いわゆる)高等生物とちがい、単細胞の粘菌に脳があるわけではない。粘菌の驚くべき戦略は、どうやって決まるのか?
中垣さんによれば、粘菌は「いくつものポンプが並んでつながったもの」とみなせるそうだ。たとえば、3カ所に餌がある場合、それぞれを吸うポンプは異なったリズムで収縮するが、このリズムのちがいにより、網目の中に圧力差が生まれ、結果的に網目の挙動も決まるらしい。だが、詳しいメカニズムはまだわかっていない。
粘菌の「頭のよさ」は、意外なところから注目されている。それは、カーナビの経路選択である。粘菌が迷路を解いて最短経路や代替経路を探す能力は、もしかしたら交通管制やカーナビの経路検索に活(い)かすことができるかもしれない。
もともと粘菌の研究は日本のお家芸で、南方熊楠も世界的な評価を得ていた。中垣さんの研究は、この伝統を受け継ぎ、現代的な観点から発展させたものといえるだろう。(たけうち・かおる=サイエンスライター)

