ニュース: 文化 RSS feed
【断 横田由美子】バランスを楯に…
このニュースのトピックス:コラム・断
GWの記憶がない。去年もその前の年も仕事をしていた。特段、何の疑問も持っていなかったが、「仕事しかない生き方って自己満足ですよ。必死すぎて暑苦しい」と、12歳も年下の社会人新米男子から説教された。
振り返ると年末年始も仕事。世の中は休みなのだから、誰からも文句は言われないはずなのに、「休む=贅沢(ぜいたく)に時間を使うこと」という意識が染みついているのだ。周囲でも同年代ほど仕事漬けになっている。その新人君、休みはしっかりとるし、平日の夜もデート優先。効率的な時間の使い方をしているから、仕事も結果を出していると豪語する。本当に結果を出しているかは疑問だが、おそらく流行の自己啓発本の受け売りだろう。
わたし世代(=団塊ジュニア)の女は特に、時間を自分のために使うのが下手だ。家庭を顧みず仕事に邁進(まいしん)した父と、主婦として家を守ることに専念した母を見て育ったせいだろうか。GWも、働く独身は仕事に捧(ささ)げ、兼業主婦は夫の実家や家庭での「嫁ごっこ」でへとへとだ。すると、「だから日本人はダメなのです」と、またもや良く聞く言い回しで批判。個人が独立していないから、そうした余暇の過ごし方になるという。
仕事と私生活の両立が、わたし達の課題であることに異論はない。だが「バランスのとれた生活」という言葉を楯に、独善的に自身の主張や生き方を押し通す人が、若者に限らず増えている気がする。生きることは、計算式のようにうまくはいかないのに。(ルポライター)