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【すごいぞ日本】ファイルIII 心やさし(6)念じれば動くロボット (1/2ページ)
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■念じれば動くロボット
念じるだけで、自分の手足のように機械が動く。夢のようなロボットの開発がいま、現実に進められている。「ブレーン・マシン・インターフェース」(BMI)。脳科学と機械工学を結びつける最先端の研究領域だ。
電気通信大の田中一男教授(45)は、脳波で動く車いすを開発した。
電動車いすに小型の脳波計とノートパソコンを載せて学生が座り、目を閉じて一定のイメージを思い浮かべると、車いすが左右に移動する。学生の頭に張られた12カ所の電極から脳波を読み取って動くのだ。
学生は「右に行け」とか「左に行け」といった直接的な命令を念じているわけではない。たとえば、「浜辺の風景」を思い浮かべると「右」、「九九の計算」を考えたときには「左」。車いすの動きとは無関係な事柄を命令信号として使い分ける。
≪風景≫と≪計算≫のように、脳を使う場所が大きく異なる事象の方が、脳波のパターンの違いを読み取りやすい。成功率は約8割、個人差もある。実用化への課題は多いが、田中教授の夢はふくらむ。
「将来はイヤホン型の装置で脳波を読み取り、電波に乗せて互いに気持ちを伝え合う『脳波携帯電話』ができるかもしれない」
リモコンもキーボードも介さず、脳の信号で機械を動かす。それがBMIだ。脳科学の発展に伴い、ここ10年間で急速に進歩した研究領域だという。
脳波以外の検出方法もあり、脊髄(せきずい)損傷患者の意思表示の手段や、義手の開発などにつながることが期待されている。
先端的な研究が進む米国では、患者の脳に剣山のような電極を刺し、信号を直接取り出す臨床試験が行われている。この方法は高精度の信号が得られる半面、患者への負担が大きい。

