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【eye】映画「靖国」助成が問いかけるもの (2/3ページ)
北京の2団体が新たに共同制作者となり、中国人スタッフが増員。キャストは靖国違憲訴訟原告団の2人と「靖国刀」の刀匠に絞られた。当初は出演予定とされていた東條家は「連絡はない。助成を得るため企画書に私どもの名を用いたなら非常に残念」としている。
構成も「靖国刀」を中心とする内容に。ラストシーンは、中国が“旧日本軍の蛮行”として反日宣伝に使っている真偽不明の写真の数々と、靖国神社へ参拝される若き日の昭和天皇を交互に映し出す場面となった。
もちろん、撮影前の企画と完成作とが異なることはあり得るが、諸変更は各委員には知らされなかった。助成金の交付要綱には、助成対象が交付の条件に違反した場合、助成を取り消すと定めた項目があるにもかかわらず、適否を確認する場は設けられていない。振興会によると「取り消された前例はありません」。
審査自体も、とても厳格なものとは言いにくい。委員が16本から4本を選んだ審査はたった3時間。「靖国」について国会質問した有村治子参院議員は言う。「ずさんなことは明らか。公平に審査して、助成金返還を検討することを希望する」
政治的表現に踏み込む映画があってもかまわないが、そもそも助成の対象となるのは「日本映画」で「政治的な宣伝意図を有しないもの」と決められている。その条件を満たしていないと指摘するのは、稲田朋美衆院議員だ。
「龍影は日本法人ですが、役員は全員中国名。制作総指揮、監督、プロデューサーも中国人です。日本映画とはいえない」
映画が芸術である以上、可否を判断すること自体がそぐわないという声もある。映画評論家の浅野潜(せん)さんは、「映画を自国の文化と重んじる韓国では、一作品に億単位の支援をしながら内容には踏み込まない。その方針が、現在の隆盛を築いた。助成対象でも、内容は自由であるべきでは」。

