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【eye】映画「靖国」助成が問いかけるもの (1/3ページ)
このニュースのトピックス:美術・芸術
文化新興、あるべき姿は?
文化の助成はどうあるべきなのか−。靖国神社を題材にした映画「靖国YASUKUNI」の上映自粛をきっかけに、国会などにまで広がった論争は、文部科学省による助成のありようについて、さまざまな疑問点を浮かび上がらせた。審査段階と内容がかけ離れた作品の助成金交付は止められなかったのか。さらにいえば審査は適正だったのか。そもそも芸術作品の適否を行政が判断できるものなのか…。「靖国」騒動から、文化振興のあるべき姿を考えてみたい。(牛田久美)
まずは助成の経緯を振り返る。映画に750万円を助成したのは、文科省所管の日本芸術文化振興会だ。文化の裾野を広げる目的で、税金を主たる原資とする基金の運用益約15億円を舞台芸術、美術などの11分野に支出していて、「靖国」は18年度に28作から選ばれた記録映画8本の一つだった。
制作した有限会社龍影の企画書によると、映画は当初「靖国の四季」がテーマとされた。終戦60年の夏から始まり、ラストシーンは〈歌声の中、満開となる靖国神社の桜。老若男女の日本人と無数の英霊が、美しい一時を過ごす〉。申請の時点では、靖国に批判的な立場の人たちだけでなく、靖国神社を支援する「英霊にこたえる会」や東條英機の遺族らも出演リストに挙がっていた。
この企画書を映画監督や評論家ら6人からなる専門委員会が審査し、助成を決定したが、その後、映画の内容は大きく変容する。

