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【試行私考 日本人解剖】第3章ルーツ 弥生人の出現(4) (1/2ページ)
このニュースのトピックス:歴史・考古学
■複数のDNA型…起源も複数
≪独自のmtDNA≫
集団の由来や成立経緯の人類学的解明に欠かせない遺伝子解析。中でもミトコンドリア(mt)は、世界中の現代人のデータ蓄積が進み、古人骨からの抽出技術の進歩で古代人の遺伝子型を直接知ることができるツールとして、遺伝子による集団研究の中核を担っている。
縄文人骨の解析が行われていることはすでに紹介したが、弥生人骨でもmtDNAの解析は進められている。弥生人のうち、高身長でのっぺり顔という形態的特徴の渡来系(北部九州・山口型)については、福岡県の安徳台、隈・西小田、佐賀県の花浦、託田西分、奈良県の唐古・鍵の各遺跡から出土した78個体分の骨からmtDNAの情報が得られている。
表は福岡、奈良両県の弥生人骨のmtDNAを分析した国立科学博物館人類研究部の篠田謙一・研究主幹がその5遺跡すべてのデータをまとめ、関東縄文人、現代の本土日本人とmtDNAの割合を比較したもの。
それによれば、渡来系弥生人のハプログループ(型)では、関東縄文人の骨のmtDNAにはなかった「N9a」「Z」というハプログループがみられる。N9aやZは、東北や北海道の縄文人の骨からも見つかっていない。表に記載はないが、「M8」のサブグループの「C」という弥生人独自のハプログループもみつかっている。「D」「G」型を持つ人の構成比(頻度)が、関東縄文人や現代人と比べて高いのも特徴的だ。
≪基層集団の型はなし≫
篠田主幹によれば、ハプログループのN9aは、現代人では東アジアに広く分布するものの、中国大陸南部や台湾の先住民に比較的多くみられるため、この一帯を起源とする可能性もある。


