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【断 佐々木譲】滝川市の不祥事処理法
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北海道以外でどれほど報道されているのかはわからないが、北海道滝川市では唖然(あぜん)とするようなでたらめが続いている。
暴力団夫婦が生活保護費として2億4000万円を不正受給していた問題だ。詐欺事件として立件されたので、滝川市はいまや被害者面である。しかし市は監査委員が何度かその異常さを指摘していたにもかかわらず、毎月500万円以上もの介護タクシー代を支給し続けていたのだ。市長も不正の報告を受けながら何も対応しなかったのだから、市が被害者を名乗るのは無理がないか。
そもそも市長は最初、問題の暴力団員とは面識がないと主張していた。その後、面識があったことを「思い出した」という。さまざまなことを想像させる「面識」と「記憶の復活」ではないか。
先日の臨時市議会では、市長の不信任決議案が提案されたが、反対多数で否決された。つまり議会は、市長の責任を問うような問題ではない、と支給を事後承諾したのだ。
減給だけで居直った市長は、関係職員や退職職員らからの拠出による基金を作って、そこから市の損害分を補填(ほてん)させるという。この不祥事の責任の所在を、徹底して薄め広げてしまおうということだ。
北海道のあちこちを回るが、衰退した町の住民がよく「この町にはもうまともなひとがいないのですよ」と自嘲(じちょう)するのを聞く。そんなことありませんよと慰める気も失(う)せるような自治体も、たしかにある。滝川市は、まちがいなくそのひとつだ。(作家)