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逆境乗り越えた教師、自叙伝出版 子供たちにエール

2008.4.20 11:36
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リストカットの大垣俊輔先生リストカットの大垣俊輔先生

 父の暴力、小学生で自殺未遂、その日暮らし…。そんな生活からはい上がって高校教師となった大垣俊輔さん(34)が、半生を振り返りながら、子供たちと向き合う日々をつづった著書『リストカット少年、教師になる』(双葉社)を出版した。自叙伝でありながら、非行やいじめなどで居場所をなくした子供たちに全身全霊でぶつかる姿が印象的な教育書でもある。

 幼少のころ、父親から度重なる暴力を受けた。生きる意味がわからず、小学生のときには自傷行為を繰り返した。中学と高校では野球に打ち込むが、ケガで甲子園の夢を断念。大学卒業後は俳優を目指したが、3年余で劇団から退団勧告。無職となり借金ばかりが膨らんだ。

 日雇い労働などで糊口をしのぐ日々を送っていたとき、いじめや障害、家庭の事情などで地元の学校に通うことのできない生徒たちを受け入れている「白根開善学校」(群馬県六合村)の存在を知って門をたたいた。「教員免許も持っていなかったんですが、『おれを待っている子供が必ずいるはず』と、思った。これまでの経験が、問題を抱えて葛藤(かっとう)している子供たちに役に立つはずだと」

 情熱が通じて補助教員として採用。翌年、教員免許を取得して英語教師に。しかし、待ち受けていたのは反発だった。意の赴くまま好き勝手に生きる子供たち。そんな生徒と、全寮制の学校で寝食を共にしながら、話をじっくり聞き、その心に寄り添うのに必死になっている。

 「みんな大人の愛情に飢えています。『あなたを必要とする人がいるんだよ』と、真剣に向き合うしかない。子供を変えようとしてはいけません。一緒に困難を乗り切ろうとしなければ」

 誠実さが、かたくなな心を開く鍵になる。「卒業式で、生まれ変わったように親や先生に感謝の言葉を述べる姿を見るのが教師の醍醐(だいご)味」と目を細める。

 4月から、また新たに24人の高校1年生を受け持っている。(中島幸恵)

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リストカットの大垣俊輔先生
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