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【断 中村文則】露骨な補強
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今年の巨人は大型補強で下馬評は高かったが、開幕5連敗で始まった。ファンとしては悲しいが、補強すれば優勝できるほど、ペナントレースは甘くない。
巨人への批判で多いのが「補強し過ぎ」「これじゃ若手が育たない」というものだ。全くその通りで、ファンの僕でさえ「やり過ぎだ」と思う。だが、たとえば開幕戦の初めのオーダーを見ると、中日の野手のスタメンは生え抜きが3人。阪神も3人(矢野選手はもうほとんど生え抜きのイメージなので4人かもしれない)。そして巨人は意外にも4人だった。
巨人は過去の「補強履歴」が露骨で、実際に数が多い。だが、中日も横浜から四番と守備の要の捕手を獲っているし、阪神も広島が育てた2人の四番を相次いで獲っている(その前の四番、江藤選手を獲ったのは巨人)。巨人は本当に露骨だし、補強選手の使い方も悪いのだけど、補強自体に関して巨人だけこれほど非難されるのは、一ファンとしてどうも納得できない気持ちもある。FA補強は、もう全体に広がっている。
ファンとしては、何が何でも勝てばいいわけではなく、選手に愛着をもって応援するのである。獲っても獲られても、選手の顔ぶれがコロコロ変わると、ファンは戸惑う。補強したからといって、全ての巨人ファンが喜んでるわけではない。その代わり、出場できない選手が出てくるのだから。
選手の権利だからFAの全てを否定する気は全然ないが、全体の野球人気を考えても、この辺りでもうほどほどにしてもらいたい。(作家)