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「繊毛」異常の原因解明 網膜や腎臓の治療に手がかり
このニュースのトピックス:サイエンス・生物
生物の細胞の表面にあり、外部情報のアンテナとされる「繊毛」の形成に重要な役割を果たすタンパク質が、大阪バイオサイエンス研究所第4研究部門の大森義裕研究員、古川貴久部長らの魚を材料にした研究で見つかった。繊毛が壊れると網膜や腎臓などに悪影響が出るとされており、病気の原因の解明や治療薬の開発にも役立つことになる。この成果は3月24日付の英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」で発表された。
大森研究員らは、多産で成長が速いので遺伝子研究にモデル動物として使われているゼブラフィッシュという熱帯魚に着目。繊毛に異常がある突然変異体を選び出し、遺伝子解析したうえで、そのデータを正常の魚のデータと比較して、遺伝子やつくられるタンパク質の違いを調べるなど研究を重ねた。
この結果、突然変異体で失われていたタンパク質は、繊毛を形作るために構造材として必要な別のタンパク質を細胞内で輸送するさいに、運び屋となる複数のタンパク質をつなげて働きやすくする役目をしていることが分かった。さらに新たな運び屋タンパク質も見つけた。
繊毛は、目の視細胞や腎臓の尿管細胞などの細胞表面で微妙な変化を感じ取り細胞内に伝えるセンサーの役割をしている。このため、繊毛が欠失すれば、網膜色素変性症や腎障害、呼吸障害、肥満などの病気の原因になるといわれる。大森研究員は「病気の仕組みを解明し、治療に結びつけていきたい」と話している。(坂口至徳)