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【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ 弥生人の出現(1) (3/3ページ)
このニュースのトピックス:歴史・考古学
≪源郷を望む≫
土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアムの松下孝幸館長は1990年代、中国・山東半島(山東省臨●、両醇)で見つかった「前漢」と「周」代末(戦国時代)の人骨300体以上を調査。顔長で鼻が低い北部九州・山口型弥生人と同じ特徴を持つ頭骨が多く、彫りの深い縄文人的特徴を持つ人骨は皆無だった。全身が残る標本は少なかったが、平均身長は男性約164センチ、女性が約151センチで、やはり北部九州・山口型弥生人に近かった。「ヒラメ筋」と呼ばれる筋肉がつく脛骨部の線が突出している特徴も一致していた。
松下館長は「山東省だけでなく、水稲起源地の有力候補である中国・江南エリアの春秋・戦国時代の人骨も、北部九州・山口型弥生人と顔立ちや特徴が一致するという報告もある。日本でいう縄文末期から弥生時代に中国東部にいた人々は、北部九州・山口型弥生人と同じ形質だったと考えられる。中国東部のいずれかにいた人々が、水稲文化と共に九州北部に渡来したことは間違いない」と話す。
集団埋葬地跡である土井ケ浜遺跡から見つかった遺骨は300体を超す。埋葬時期は紀元前100年から約200年間にわたるが、すべてが響灘から大陸を望む西方に顔を向けて埋葬されている。松下館長は、祖先の源郷を代々心に刻み続けていた証だとみている。(小島新一)
●=さんずいに輜のつくり

