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【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ 座談会(3)遺伝子は語る (1/3ページ)
このニュースのトピックス:歴史・考古学
≪出席者≫
■尾本恵市 総合研究大学院大 上級研究員(分子人類学)
■小田静夫 東大講師(先史考古学)
■海部陽介 国立科学博物館 人類研究部研究主幹(生物人類学)
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■「外見は同じ」論に一石
≪縄文人の均質論≫
小田 縄文時代に後期旧石器時代の列島人の子孫がいたことは研究者の間でほぼ一致しているが、問題は、縄文時代に新たに渡来した集団の有無。土器が外来なら、旧石器から縄文時代への移行期に渡来集団がいた証にもなるが、土器が外来だった明確な裏付けはない。むしろ土器の列島自生説が有力で、新たな集団の移入によって縄文時代が始まったとは考えられていない。ただ、縄文草創期の鹿児島県・栫ノ原など沖縄本島から長崎・五島列島にかけての遺跡で出土する丸ノミ形石斧はその後、東南アジアから伊豆・八丈島にかけての太平洋沿岸で使われた丸木舟製作用の石器と共通点がある。黒潮に乗って集団が移入してきた可能性を示唆し、縄文の早い時代に独自の土器文化を発達させた南九州の遺跡群とのかかわりも考えられる。
海部 人類学ではこれまで弥生期の渡来論争が最大の関心事であったため、日本列島の縄文人を1つの均質な集団と仮定することが多かった。連載でも紹介されたが、最近では縄文社会のダイナミズムに着目した研究が始まっている。この動きの中で、外来集団の有無も視野に入れた検証が行われていくだろう。