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【竹内薫の科学・時事放談】「きぼう」 日本人が参加する意味 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:宇宙
教育用の実験として面白いのが、「重力がない状態でブーメランを投げたらどうなるか」である。ブーメラン世界チャンピオンの栂井(とがい)靖弘さんの提案だというが、気になるので私も簡単な物理計算をしてみた。
面白いことにブーメランが描く円軌道の大きさは、投げ方にはよらず、ブーメランの形状と質量で決まってしまう。その円軌道が小さく、すぐに戻ってくるようなブーメランの場合、重力はほとんど関係がない。
だから、土井さんが船内で投げたブーメランは、ちゃんと戻ってきた(ただし、ゆっくりと少し上に向けて投げた場合は、重力のあるなしが効いてくるので、らせんを描いた可能性もある)。
最後に、納税者としては、やはり気になるのが「きぼう」にかかるお金だ。(算定方法にもよるが)「きぼう」関連の経費は、しめて1兆円程度といわれている。宇宙開発にはかくも巨額のお金がかかる。特に有人計画の場合は宇宙飛行士の人命がかかっており、安全確保のため、予算も安易に節約ができない。
しかし、それでも、私は有人の宇宙計画は続行すべきだと思う。なぜなら、実際に「日本人」が宇宙に行って、その場で実験や観測をすることは、科学技術への貢献以上の意味があると思うから。また、いったん撤退してしまったら、他国の宇宙技術に追いつくには何十年もかかってしまう。
土井さんのミッションの成功を祈りたい。(たけうち・かおる=サイエンスライター)

