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【竹内薫の科学・時事放談】惑星X 仮説が生み出す新発見 (1/2ページ)
「海王星の外側にも惑星があるゾ」という仮説を考えてみたい。
みなさんご存じのように、1930年に冥王星が発見されてから76年間というもの、誰もが冥王星は惑星と信じて疑わなかったから、この仮説はずっとシロだったことになる。だが、2006年に国際天文学連合の総会で、冥王星は惑星に準ずる天体という位置付けの「準惑星」に格下げされてしまったから、仮説はクロになった。
私は物事を考える際に仮説を立てることを提唱していて、よく「白い仮説、黒い仮説」という言葉を使うのだが、「海王星の外側にも惑星がある」という仮説は、シロがクロに劇的に変化した面白い事例なのだ。
ところが、この仮説が最近になって、ふたたび流動的になり、クロからシロに向けて移動しつつあるらしい。大きなニュースになったのでご存じの読者も多いかと思うが、神戸大学のパトリック・ソフィア・リカフィア博士と向井正教授が、「海王星の外側にも惑星があるゾ」という仮説をふたたび提出して、科学界のホットな話題になっている。
太陽と地球の距離を1天文単位と呼ぶが、新たな惑星(惑星X)は、80天文単位より遠くにあり、重さは地球の0・3倍から0・7倍だと予測されている(ちなみに冥王星は、40天文単位程度の距離にあり、重さも地球の0・02%にすぎない)。
なぜ、いまさら、という気もするが、プレスリリースを詳しく読んでみると、同じようなことは前にもあったのだという。それは1846年の海王星の発見だ。当時、イギリスのアダムズとフランスのルベリュが、天王星の奇妙な「ふらつき」に気付いた。
2人は、天王星のさらに外側に未知の惑星があって、その重力のせいで天王星がふらつくのだという仮説を立てた(面白いことに2人は面識がなかったようである)。この仮説は、ほどなくベルリン天文台のガルレにより検証され、新たに発見された惑星は海王星と名付けられた。