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小野不由美 待望の新作
これほど新作を待望される作家も珍しいだろう。ファンタジーから本格ミステリー、ホラーまで、緻密(ちみつ)な文体で濃厚に描く小野不由美。代表作とされるのは『十二国記』シリーズだが、平成13年7月以来、新作が出ていなかった。27日発売の雑誌「yomyom」(新潮社)に新作が掲載されることになり、話題を集めている。
『十二国記』は女子高生の中嶋陽子が、12人の王と、宰相を務める12頭の麒麟(きりん)が治める12の国々からなる異世界に導かれ、そのうちのひとつ、慶国の王となる、という壮大な物語。
これまでのシリーズ7作品は講談社から書籍化。講談社文庫(9冊)と同社のX文庫(11冊)で計700万部を売り上げており、コミック化もされている。また、新潮社からは“外伝”とされる『魔性の子』が出版され、NHKがテレビアニメ化もした。
27日発売の「yomyom」に掲載されるのは、「丕緒(ひしょ)の鳥 十二国記」。原稿用紙換算で90枚の一挙掲載となる。「丕緒の鳥」は、陽子が慶国の王に即位するころの話となる。
同誌の木村由花編集長はかつて小野作品の書籍化を担当。18年の同誌創刊当初から原稿を依頼していたという。
新作の渇望ぶりは、オンラインストア「アマゾン」のランキングでも明らか。2月19日以降、雑誌部門トップを含む上位にランクイン。同誌編集部にも書店や読者から「本当に新作か」といった問い合わせが相次いでいる。そんな人気ぶりに、同社では通常より上乗せした7万8000部発行で臨む。
(酒井潤)