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【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ 縄文語 (1/3ページ)

2008.2.25 08:51
このニュースのトピックス言語・語学

 ■地名、方言に“直流”残る

 ≪「私の名前は」…≫

 「アバ(a−ba) ナアガ(naa−nga) マポ(Mapo)」「アニ(a−ni) ノノ(nono) ト(to) アヤ(aya) ト(to) イネ(ine) ト(to) イエ(ye) ト(to) オト(oto)、シ(si) ブイブム(bu−i−bu−mu)」

 日本や東北地方の民俗をテーマにした音楽活動で知られる「姫神」の代表曲の1つ、「神々の詩」では、こんな歌詞が繰り返される。シンセサイザーが創り出す幻想的な音の世界に響く女性の歌声は哀調を帯びながら、不思議な力強さと懐かしさも感じさせる。

 実はこの歌詞は、縄文時代に話されていた「縄文語」として、崎山理(おさむ)・滋賀県立大名誉教授が監修したものだ。「私は名前がマホです」「私に祖父(祖母)、父と母、兄(姉)と弟(妹)がいます」という意味だという。

 もちろん、縄文語の資料は存在せず、当時の言葉を直接知ることは不可能。崎山教授は「日本語は北方のツングース諸語と南方のオーストロネシア語族系の言葉が混合して成立した。両系統の言語が列島で出会ったのは縄文時代後期」と考えており、現代方言や奈良時代の上代日本語と列島の南北に位置する系統の異なる言語を比較し、縄文語の再構成に挑んだ。

 ≪北方系と南方系≫

 日本語のルーツは、「ツングース諸語」「モンゴル諸語」「チュルク諸語」の3グループから形成される「アルタイ語族」系統と考える説がこれまで言語学者の間では有力だったが、アルタイ語族の存在そのものについて、現在、意見が分かれている。

 崎山教授が注目したツングース諸語は、シベリア西部から満州、東はカムチャッカ半島や樺太に至る広大な地域で話されている10の言語。語彙(ごい)では「谷」という言葉を「や」「やち」「やつ」と読む関東地方独特の地名や、上代日本語の助詞・助動詞のルーツにツングース諸語の影響がみられるという。「神々の詩」の−バ(〜は)、−ガ(〜が)などがそうだ。例文中の「アカ(赤)キ(形容詞語尾)」「コロモボ(衣を)」などの言葉をみると、日本語とのつながりが感じられる。

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