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【eye】中国製冷凍ギョーザ事件 ジャーナリスト・青沼陽一郎氏に聞く (1/2ページ)
■食の安全へ自給率向上を
食卓を直撃した中国製冷凍ギョーザ事件を機に、日本の「食の構造」が問われている。食料自給率(カロリーベース)はいまや40%を切る。「こんな先進国は他にありません。私たちの身体は6割が外国製品からできているのです」。食の安全性に注目し、世界各地で取材を重ね、『食料植民地ニッポン』(小学館)を3月3日に刊行する青沼陽一郎氏(39)は、今回の事件を「起こるべくして起こった」と言い切る。“防衛策”はあるのだろうか。(牛田久美)
青沼氏は6年間にわたって中国や米国などの工場、農場、牧場を取材、「トリと牛、どちらが危ない?」(『文芸春秋』平成16年4月号)や雑誌『SAPIO』などの連載で、食の安全に警鐘をならしてきた。問題のギョーザ工場内の映像(政府調査団撮影)もテレビ局の映写室で見たという。
「日本の最新技術で稼働する典型的な工場でした。しかし、衛生的であっても、工場内で毒物混入はなかったとは言い切れない。問題は日本の主権が及ばないことです」
青沼氏が指摘する通り、事件後、内閣、外務、厚生労働、農水各省4人の調査団が現地入りしたとき、出勤簿や監視カメラは現地警察に押収された後だった。25日から警察庁次長が訪中するが、捜査権はなく、中国の説明を待つばかりである。
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輸入製品が増えたのは最近のことではない。終戦後は「パンとミルクの給食」で長らく米国の余剰小麦の受け皿となった。1980年代の貿易摩擦を経て、90年代には牛肉とオレンジが自由化された。一方、高度経済成長を謳歌(おうか)する間に、国内の農業は衰える。昭和35年に79%だった食料自給率は右肩下がりとなり、平成元年に50%を割った。以来、回復の兆しはない。
「間もなくオーストラリアの干魃(かんばつ)で小麦が値上がりしますが、他国の事情でこれほどに食が左右される国は、世界でも例をみません」
世界中の植民地に食料を依存し、ドイツの海上封鎖で飢えた英国が、50%を切った食料自給率をサッチャー政権下で70%台まで回復させたのとは対照的だ。青沼氏は「無策だった農水省はもう要らない」と言い切る。

