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正論新風賞の新保氏「音楽は歴史のささやき」
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東京都内のグランドプリンスホテル赤坂で21日に開催された第23回「正論大賞」と第8回「正論新風賞」の贈呈式。大賞を受賞した佐伯啓思氏(58)は日本人の価値観の崩壊を指摘した。新風賞の新保祐司氏(54)は「音楽を国や文明のささやきとして論じようと発想してきた」と述べた。昨年70歳で亡くなった阿久悠氏にも特別賞が贈られ、遺族が喜びの言葉を語った。
現代文明論を専門とする佐伯氏は、米国を中心とするグローバリズムに一貫して警鐘を鳴らしてきた。この日は「小中高と作文は一番苦手で文章を読むのも苦手だった」と振り返り、「知識人は生産活動も政治活動もしない『無用者』だが、無用の用にも出番がある」とユーモアを交えて語り、会場の笑いを誘った。
新保氏は、高校時代に小林秀雄の批評に触れて文芸批評家を志し、出光興産退職後に都留文科大教授に転身。伝統的価値観の復興を訴えてきた。「日本の近代は(小説など)『軟文学』が全盛だが、私は批評という『硬文学』をやろうとしている。日本人の精神の基盤を支えることに役立てば、これにすぐる喜びはない」と笑みをみせた。
阿久氏は、『また逢う日まで』『勝手にしやがれ』など5000曲以上を作詞。産経新聞にも長期にわたって連載を続けた。長男の深田太郎氏(42)は、連載をまとめた著書『清らかな厭世(えんせい)』の一節を引用しつつ、「父の歌は希望の歌。時代とキャッチボールしながら生んだ言葉がバトンリレーのように受け継がれてほしい」と語った。
会場を訪れたのは約350人。昨年の正論大賞受賞者で初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏(77)も駆けつけ、「3人とも日本人の精神、心を取り戻そうと呼びかけたのが共通している」とたたえた。