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【秋山仁のこんなところにも数学が!】(5)美しい和音は直角三角形!?
小学生のとき、「みんなで元気に歌いましょう」という先生の掛け声で合唱が始まりました。私は精いっぱい大きな声で歌ったのですが、先生に呼ばれ、「もっと小さい声で」と注意され、以来音楽コンプレックスを抱くようになりました。これではいけないと一念発起して、55歳でアコーディオンを始めました。なかなか上達しませんが、音楽と数学は深い仲であることが分かってきました。
音楽と数学の関係を最初に研究したのは、ピタゴラスです。ピタゴラスは鍛冶(かじ)屋が鉄を打つときに、重さの異なるハンマーでたたくと異なる高さの音が聞こえることを不思議に思い、音楽の背景に潜む数理について研究し、今日の音階の基礎を築いたといわれています。
ハーモニーとはいくつかの音を同時に出し、音に厚みをだすことで、ドミソとかレファラなど3つの音を重ねた和音は、調和した美しい響きになります。
和音における3つの音の関係を円形鍵盤を用いて調べてみましょう。
ピアノの鍵盤には、ドレミファソラシドの音を出す白鍵と、ド#、レ#、ファ#、ソ#、ラ#の音を出す黒鍵があります。黒鍵も含めて弾くと、半音ずつ音が順に高くなります。円形鍵盤は、鍵盤を円周上に、時計回りに半音ずつ音が高くなるように並べたものです。
ドミソではミはドから数えて4つめで、ソはミから数えて3つめで、1オクターブ高いドはソから数えて5つめの鍵盤です。円形鍵盤に、図のようにヒモの輪を設置し、該当する3つの音に×印をつけます。そのヒモを×印が頂点になるように広げると、図1のような直角三角形になります。よって、これを4:3:5の和音と呼ぶことにします。
同様にレファラに関しても行うと、図2のような直角三角形になります。よって、これを3:4:5の和音を呼ぶことにします。これらの和音はどちらも調和した音になります。また、4:3:5の和音は明るく楽しそうに、3:4:5の和音は暗く寂しげに聞こえます。
美しい和音を形にすると、ピタゴラス(三平方)の定理に関係する直角三角形にたどりつくことに何か不思議な因縁を感じませんか。(東海大教育開発研究所長)

