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【人、瞬間(ひととき)】あのとき 作家・宮本輝さん(60)(上) (2/3ページ)
このニュースのトピックス:メンタルヘルス
「これでは会社に行けない。取引先と打ち合わせもできない。会社員として失格だ。このまま廃人になるなら、少年時代から好きだった小説を書いてみよう」
28歳の時、一世一代の決意で広告会社を退職し本格的に小説を書き始める。30歳になり、自身の幼少期の体験を描いた『泥の河』で太宰治賞、翌年には『螢川』で芥川賞を受賞し、作家としての地位を確立した。
「生きることの意味は? 死とは?」。生と死を深く見つめざるを得なくなった発作こそが、「作家・宮本輝」を誕生させる大きなきっかけとなった。
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「発狂の恐怖は、初めての発作から10年間続きました。また、ふいに自殺してしまうんじゃないかという心配が常にあり、遮断機の下りた踏切には近づけなかったですね」
『錦繍(きんしゅう)』を書いていた34歳のころ、発作はいよいよ激しくなった。知人から薦められた精神科医のカウンセリングを受け、自分の生い立ちや仕事のことなどを洗いざらい話した。
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