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【秋山仁のこんなところにも数学が!】(3)大活躍する「ハニカム構造」
一般に「ジバチ」と呼ばれているハチの巣から、幼虫だけを取り出し、つくだ煮風に料理したものが、「蜂の子」として愛好家に珍重されています。
このハチの巣の取り方を先日、テレビで見ました。このハチは乾燥した地中に巣を作ります。これを探すのは至難のため、まずオトリのハチを捕らえ、それに目印の綿をつけて逃します。それを追いかけ、巣に戻ったところを掘り出すのです。
ジバチの巣は直径が30センチから50センチくらいまでで、その美しい造形は匠の技に匹敵します。筒形になった正六角形の穴を一面に敷き詰め、まるでタイル張りのような幾何学模様を作り出しているのです。なぜ、こんな配置にしたのでしょうか。
正しい理由はハチに聞かなきゃ分かりませんが、数学的には理由があります。同じ形の穴で平面をすき間なく敷き詰めるとき、周囲の長さにたいして穴の面積を最大にするのが正六角形だからです。つまり、ハチは巣の材料をなるべく少なくしながら、内部の面積を最大にしているのです。そのうえ、この配置は構造的にも頑強です。筒形の正六角形を一面に敷き詰めた構造を「ハニカム構造」と呼ぶのですが、このハニカム構造は垂直方向からの力にとても強いのです。
このため、ボール紙のような軽い板でハニカム構造を作り、それを2枚の板で上下から挟むと、軽くて頑丈な板ができます。このハニカム・サンドイッチ構造は、新幹線の先端や床、ジェット機の翼、人工衛星の側壁、スキーの板、紙ボードなど、私たちの見えないところで大活躍しています。
ところで皆さんは、かつて正方形の網目をしていたサッカーのゴールネットが最近、正六角形に変わったことにお気付きですか。シュートが決まったとき、正六角形のネットだとボールがふんわりと跳ね返るので、歓喜の瞬間が正方形のネットより多少長くなることが変えた理由だそうです。
ハチはこんなことまで予想していたのでしょうか。(東海大教育開発研究所長)

