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【断 さかもと未明】「とりあえず」では戦えない

2008.1.22 03:20
このニュースのトピックスコラム・断

 今回の新テロ法成立の顛末(てんまつ)は何なのだろう。一応成立したものの、法案に反対した代表人物は、議事の中途で退席するというお粗末ぶり。これは前首相を退任にまで追い込む一因となるほど、重要な案件ではなかったのか。反対するならするで、なぜ己の政治信念に基づく態度を貫き、民に信を問おうとしないのか。正直ここまで国民と議会をバカにした議事はなかったのではないか。そのことはもともとこの法が抱える、「所詮(しょせん)はごまかし」でしかない現実を、見事にあぶりだしている。

 新テロ法はもともと、憲法改正は手間がかかりすぎるということで、とりあえず自衛隊の給油活動を再開できるように提案された。しかし、私たちは考えなければならない。今回はたまたま給油活動だが、「テロと戦う」ことが恒常化すれば、それは将来必ず危険を含む活動になってくる。今でも他国の人々はみな命がけでテロと戦っているのである。

 戦いは必ずぎりぎりの選択を迫る。ぎりぎりの時に何を義とするかで、我々は祖国に、そして家族につながるし、また他国の人々の敬意や反感を買うことになるが、そんなぎりぎりのやり取りをしていくときに、いったいどうして「とりあえず」の法律でことたりるのだろう。哲学なき力の行使ほど無残なものはない。常に最悪の局面で何を選ぶか考えていかなければ、身を呈する人にも他国の命をかける人にも言い訳は立たない。

 今こそ、国民投票にむけて憲法改正の議論をはじめるべきだ。祖国と家族を守るべき自衛隊に「国連の要請で」動くべきだなどという眠たい主張には、はっきりNOといいたいのである。そして、己の政治信念をきちんとした態度で貫けない議員にもまた、NOといいたい。

 (漫画家)

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