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【断 神田茜】人を信じられない寒さ

2008.1.16 03:22
このニュースのトピックスコラム・断

 最近はいつも「疑い」ながら生活しているような気がする。電話やメールでも投資の誘いや、稼げますなどと怪しげなものが多く、騙(だま)されないようにと緊張しながら対応している。

 問題になった「振り込め詐欺」も最近は手口が知れ渡り、騙される人も少なくなった。しかし詐欺の手口も恐ろしいスピードで編み出されていているようで、銀行での振り込みが警戒されるようになると、バイク便や私設私書箱を使って送付させたり、「あなたは裁判員に選ばれました」と言って生年月日や口座番号を聞き出したりするものもあるらしい。

 そんな組織ぐるみの詐欺があるかと思えば、少額の金銭を何人もから騙し取る寸借詐欺というのもある。ある友人は道を歩いているときに「財布を落として見つからない。バイト先の面接に急いで行かないといけないので、交通費を貸してほしい」と若い男性から声をかけられた。交番に行くように言おうと思ったが、おとなしそうなその若者がかわいそうに見え、財布の中の千円札を何枚か渡した。その後いつまでたっても教えた住所にも電話にも連絡はなく、騙されたと気付いた。

 高額詐欺よりも罪が軽いかというとそうでもない。騙された方はかなり傷つくのだ。今どき騙される方が愚かだと言う人がいるかもしれないが、人とのふれ合いがないからこそ、人を信じてみたいという思いも確かにある。その、わずかばかり残っている善意を踏みにじられると夢も希望もなくなる。

 ひとを疑って生きなければならない寒々しい世の中。裏切られ、騙されながら学習していくしかないのだろうか。(講談師)

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