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【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ 縄文人のかたち(4) (3/4ページ)

2008.1.14 12:01
ハンチョー洞穴から出土した頭蓋骨(松村博文・札幌医科大准教授提供)ハンチョー洞穴から出土した頭蓋骨(松村博文・札幌医科大准教授提供)

 

継続した南下

 歯の分析で浮かび上がった大陸部東南アジア人との類似性。それが縄文人の起源を解明する鍵とみた松村准教授らの研究チームは2004年、ベトナム北部のハンチョー洞穴で発掘調査を行い、ホアビン文化期の人骨3体を発見。このうち1体は歯にシャベル状形成がなく、頭骨にもオーストラリア先住民やメラネシア系集団と共通する特徴がみられた。

 さらに2005年から昨年にかけ、約100キロ離れたマンバック遺跡で、新石器時代末期(約3500年前、縄文後期)の埋葬人骨74体を発掘。頭骨を計測したところ、平たく面長な顔など、中国・揚子江付近の前漢時代の人骨や、日本の渡来系弥生人と似ていることが分かった。

 ところがその中で、ハンチョー洞穴と同じく彫りの深い顔つきをした人骨5体が混在。彼らは周辺の先住民の村で生まれ、成人後に移り住んだと推定される。

 従来は東南アジア人が外部と混血せず、ホアビン文化期から遺伝的に連続しているとする説が有力だった。しかし、同一遺跡から同時代の異なる系譜の人骨が発見されたことから、松村准教授らは「新石器時代末の段階から、インドシナ半島に揚子江沿岸の集団が南下し、先住民と混血した可能性が高い。東南アジアにも二重構造がある」と分析する。

 「北東アジア人の南下は、大陸周縁部で長期間にわたり平行的に起こったのではないか。東南アジアより北方の日本列島ではもっと早く、縄文時代が始まる前に一定の混血が生じた。その結果、大陸部の東南アジア人と縄文人はよく似た歯の形態を持つに至った」。この説は、後期旧石器時代末期(約2万〜1万4000年前)、細石刃文化がシベリアから日本列島に入ってきたこととも符合する。

このニュースの写真

マンバック遺跡で見つかった頭蓋骨(松村博文・札幌医科大准教授提供)
マンバック遺跡出土人骨の上あごの歯(松村博文・札幌医科大准教授提供)
ハンチョー洞穴から出土した頭蓋骨(松村博文・札幌医科大准教授提供)
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