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【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ 縄文人のかたち(4) (2/4ページ)
大陸部と類似
ターナー説は、埴原和郎・東大教授(故人)の「縄文人が日本の基層集団で、弥生時代以降に大陸から渡来した人々と混血し、日本人が形成された」とする「二重構造論」とも合致する。しかし、松村博文・札幌医科大准教授らは「縄文人は必ずしも東南アジア起源ではなく、早い時期に北方からの影響を受けていたのではないか」とターナー説の単純な二分論に疑問を示している。
アジア人のシャベル型切歯の割合を調べたところ、弥生時代以降の関東日本人は90%を超えたのに対し、縄文人・アイヌは約70%、最も少ないのは新石器時代以前のホアビン文化(約2万〜7000年前、日本の後期旧石器〜縄文早期の北ベトナムからスマトラ島北部地域の文化)期の東南アジア人で約40%。縄文人と割合が似ているのは、大陸部の現代東南アジア人(ベトナム、カンボジアなどインドシナ半島の人々)だった。
さらに、各地の約7000体に及ぶ人骨の歯を調査し、21項目の形態小変異(微細な形態の違い)についてデータを取り、類縁関係を調べた。その結果、現代北東アジア人とホアビン文化期の東南アジア人を両極に、縄文人・アイヌは大陸部の現代東南アジア人とともにほぼ中間に位置した。
「これまで縄文人のルーツといわれてきた島嶼部の現代東南アジア人(フィリピン人、インドネシア人など)の歯は、縄文人とは距離がある」と松村准教授は指摘する。




