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【パーティー鑑賞】「受賞しなかったことを誇りに」野間文芸新人賞 (1/3ページ)
「受賞しなかった方たちは、受賞しなかったことを誇りに思って、ご活躍ください」
数多くの有望新人を顕彰してきた野間文芸新人賞の贈呈式が17日、東京・内幸町の帝国ホテル東京で行われ、選考委員を代表してあいさつに立った作家の江國香織さんが、ユニークな表現でスピーチを締めくくった。29回目の今年度は、候補5作のうち、鹿島田真希『ピカルディーの三度』(講談社)、西村賢太『暗渠の宿』(新潮社)の2作が受賞。江國さんは、いずれの候補作もすばらしい作品で、選考会でも意見が割れたことを説明。受賞を逸した3作(いしいしんじ『みずうみ』、佐藤友哉『灰色のダイエットコカコーラ』、川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』)も十分に魅力的な作品であることをアピールするため、このような表現を使って作家たちをたたえたようだ。
江國香織さんのあいさつ
野間文芸新人賞の候補作は、今年はどれもすごくおもしろかったです。それで多分そのせいで、選考会では意見がすごく分かれました。本当にものすごく分かれて、たくさん話すことができて、選考委員の1人として楽しかったです。新人賞という名前ですけど、少なくとも(作品数が)1番少ない方でも1冊の本がきちんと本屋さんに並んでいる。たくさん書いてらっしゃる方もいる。そういう候補作の中から選ばれる賞ですから、それ(意見が分かれること)が普通なんだなと私は思いました。つまり、それぞれが魅力的であるということだから。
それなので、例えば、いしいしんじさんの独特さ、佐藤友哉さんのあの徹底して作り込む感じも、川上未映子さんの鮮やかさと言葉の美しさも、本屋さんに並べるために、それぞれがひっさげてきたものだから、それを論じる場ではないんだなというのが私が今回感じたことでした。それぞれが力を持って並んでいるわけだから。

