MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース:文化 皇室学術アートブックス囲碁将棋写真RSS feed

【わたしの失敗】数学者・藤原正彦さん(64)(3)

2007.12.13 03:29
このニュースのトピックス第23回正論大賞
妻、美子さんと妻、美子さんと

 ■出産直後の妻に「女産めよ」

 「生涯の伴侶(はんりょ)として君を選んだことも失敗のひとつだね」

 「あら、いまの言葉そのままあなたにお返しします」

 妻、美子との軽妙洒脱(しゃだつ)な会話は、夫婦(めおと)漫才のようだ。

 ふたりが出会ったのは30年ほど前。当時、藤原はお茶の水女子大理学部助教授、美子は同じ大学の大学院生で心理学を専攻していた。学内での接点はなかった。

 美子いわく、ある日の大学の帰り道、連れの友人が突然、振り向いて言った。「あっ、藤原先生だ」。長髪にジーパン姿の薄汚い男を見て、「この人が一風変わったと評判の数学者かと。びっくりしました」。第一印象は必ずしも良くなかったようだ。

 正反対に、藤原いわく「ひと目ぼれでした」。当時、恋い焦がれていた歌手、奈良光枝に似た美貌(びぼう)、にじみ出る品の良さ。「結婚したい女性ができた」。翌日、両親に宣言したほどだ。

 1年後に結婚。まもなく長男が生まれ、幸せは欲をさらに膨らませた。

 二人目は女の子。そう決め込んだ。目に入れても痛くないほどのかわいさも想像できる。娘の名前は「あや」。一男一女家族4人であれもしたいこれもしたい…。

 待ちに待った出産当日。いまのように誕生前に性別は分からない。待ちきれず出産に立ち会った。やがて元気な産声が響き渡った。「おめでとうございます。元気な男の子ですよ」

 「一瞬、頭が真っ白になって…。分娩(ぶんべん)台で出産を終えたばかりの妻に『おい、3人目は女の子を産めよ』と声を荒らげてしまって」

 思いやりのかけらもない。助産師らがあぜんとする中で、なんと藤原自身が倒れてしまった。

 「あまりの落胆で貧血を起こしてしまって」分娩予備室で、産後の美子とともにベッドに横たわるはめに。悲しいやら情けないやら…。

 「女房からは『ひどい人』と今でもいわれます」。そうでしょう。「でもショックでね」などと言い訳しつつ「結局、3人目も男だったから4人目に向かうのが筋だったのでしょうね」とも。反省の色がまったく感じられない夫は、妻を苦笑させるのだった。=敬称略(中島幸恵)

このニュースの写真

妻、美子さんと
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2007 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。