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弥生後期の3重環濠出土 奈良 有事に備えた砦跡か
このニュースのトピックス:歴史・考古学
奈良県桜井市の桜井公園遺跡で、弥生時代後期(2世紀前半)の3重に掘削された環濠(かんごう)が見つかり、桜井市教委が11日、発表した。奈良盆地を見下ろす丘陵上にあり、戦乱に備えた砦(とりで)跡とみられる。
当時の奈良盆地内では戦乱もなく平和な時代が続いたとみられていたが、九州北部や瀬戸内地域の勢力に備えて守りを固めていた可能性が浮上。西日本全体を巻き込んだ、大規模な軍事的緊張状態を物語る貴重な資料となりそうだ。
丘陵斜面で見つかった環濠は、等高線に沿うように3本が並行して見つかった。最も高い位置に設けられた環濠は幅約3メートルで、長さ19メートル分を検出。その下で、長さ45メートル分と14メートル分の環濠が、8〜10メートル間隔で検出された。環濠は、丘陵を囲むようにさらに伸びるという。
平地から30〜40メートル高い位置にあることから、市教委は奈良盆地を一望できる軍事上の要衝に設けられたと推測している。
弥生時代の日本列島について記した中国の歴史書「魏志倭人伝」によると、2世紀後半に大規模な戦乱「倭国大乱」があり、女王・卑弥呼(ひみこ)が擁立されたことで戦乱は収まったと伝えられるが、それ以前の大きな戦乱に関する記述はない。
しかし、今回の環濠は倭国大乱より半世紀ほど古く、そのころにはすでに西日本各地で勢力争いがあったことを推測させる。市教委は「大規模な環濠掘削には多大な労力が必要で、有事に備えた砦ではないか」とみている。
遺跡はすでに埋め戻されたが、12日〜来年1月11日に同市芝の市立埋蔵文化財センター(TEL.0744・42・6005)で発掘速報展が行われる。

