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坂口死刑囚、心の叫び再び
このニュースのトピックス:第23回正論大賞
連合赤軍事件で殺人罪などに問われ、平成5年に死刑が確定した坂口弘死刑囚の2冊目の歌集『常(とこ)しへの道』(角川書店、1785円)が出版された。
坂口は公判中に短歌を作り始め、5年に最初の歌集を出版した。今回の歌集には、死刑確定後の、いつ死がやってくるかわからない日常のなかで詠んだ2865首の中から自ら選んだ593首が収められている。
《これが最後 これが最後と思いつつ 面会の母は八十五になる》
坂口は、あさま山荘事件やリンチ殺人など多くの犠牲者や被害者を出した一連の事件に直接かかわった。犯した罪の重さは消えないが、この歌からは、1人の人間が失った歳月の重みが伝わってくる。
「これを見てください」。編集に当たった雑誌『短歌』編集長の杉岡中さんが出したのは、厚さ2センチほどの便箋(びんせん)の束。短歌一首ごとに文法上の疑問点や表現の手直しの指定などがびっしり書かれている。坂口が自作をチェックした「著者校正」のあとだ。杉岡さんは「真摯(しんし)に自分に向き合っている」と感じたという。
杉岡さんは「犠牲者の遺族や被害者の傷は癒えることはないでしょう。しかし歌の中で彼は事件を悔いている。これは真実であり、いつわりのない心の叫びと感じました。死刑囚という立場に置かれた人間の率直な心情を多くの人に読んでいただきたい」と話す。(栫井千春)

