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和歌専用の長い木簡使用か 各地で出土の木簡を調査し判明 大阪市大教授が新説
このニュースのトピックス:歴史・考古学
古代人は、通常よりも数倍長い専用木簡に和歌をしたため、儀式で朗々と詠み上げた−。そんな新説を、大阪市立大大学院の栄原(さかえはら)永遠男(とわお)教授(古代史)が1日、奈良市の奈良文化財研究所で始まった木簡学会の第29回研究集会で発表した。栄原教授は「歌会などで用いたのでは」と推察しており、独特の木簡の形態に迫る報告として注目される。
栄原教授は、全国各地で出土した和歌が記された木簡を調査。荷札や役所の文書が記された一般的な木簡には十数センチ程度のものも多いのに対し、和歌が記された木簡は数倍長いものが目立った。
「皮留久佐乃(はるくさの)皮斯米之刀斯(はじめのとし)」と記された難波宮跡(大阪市)出土の7世紀中ごろの木簡は、長さ18・5センチで途中で折れていた。栄原教授は、1首31文字が1行に書かれていたと仮定し、もとの木簡は文字部分だけで推定49センチ、余白を含めた全体はさらに長かったと推測している。
また「目毛美須流…」で始まる平城宮跡(奈良市)出土の8世紀後半の木簡は長さ58・5センチだったが、同様にもとの木簡は文字部分だけで74センチだったと推測。裏には目盛りが残っており、物さしだったものが転用されたと考えられるという。こうした歌専用の木簡は「難波津の歌」が書かれたものなど約十点を確認。多くは通常の木簡の数倍の長さだったという。
栄原教授は「フォーマルな場に長大な木簡を持っていき、唱和したり単独で読んだりしたのではないか」と推測。木簡学会に出席した犬飼隆・愛知県立大教授(言語学)は、この説について「公式の場で歌うために使われた専用木簡があったという指摘は画期的だ」と評価している。

