ニュース:文化 RSS feed
【わたしの失敗】児童文学作家 那須正幹さん(65)(4)
■チャック降ろす寸前…悲劇
那須のズッコケ談、いや失敗談は続く。こちらは尾籠(びろう)な話題ゆえ、公表はご辞退、と最初は言っていたが、話していくうちに興に乗り「書いてもいいけどね」となったので、書いてしまおう。
ときは今年の夏も終わりに近づいた9月の夜、場所は山口市湯田温泉。那須は友人2人と夫人の4人で、料理屋で楽しく酒を飲んだ。その後、カラオケを歌おうと河岸(かし)を変えることにした。勘定を終えて表に出たら「寒かったんですよ。トイレいっときゃよかったと思ったときは遅く、次の店でもいいかと我慢しとったんですが」涼気が、催していた尿意に即刻の解放をうながし始めた。
めざす店まではかなりの距離がある。歩けば歩くほど下腹がフォアグラになってくる。「中原中也記念館の前まできたら路地の入り口の両側が竹やぶになっておったんで、走っていってチャックに手をかけてるうち」に悲劇が起きた。タッチの差で括約筋がこらえ切れなかったのである。
が、那須はめげない。「そのままカラオケ店にいって1曲歌いよったら乾いたけどね」(笑)
◇
「ズッコケ三人組」シリーズは、平成16年12月に刊行された第50巻『ズッコケ三人組の卒業式』によって完結をみた。第1巻が出た昭和53年2月から数えると、足かけ27年だった。
「最後の5巻くらいまでくると、テーマを選ぶのに毎回苦労しました。子供たちを取り巻く社会状況も、この30年近くでがらっと変わったし、書き始めたころは30代だったころのぼくと、60代になった今のぼくの中での小学6年生のイメージの隔たりも大きかった」と、シリーズが完結した理由を回想する。
しかし、平成17年12月、那須は「長く支持してくれたオールドファンの皆さまに感謝の気持ちをこめて」40歳という不惑の年を迎えた「三人組」を主人公にした一般書『ズッコケ中年三人組』を上梓(じょうし)した。
その後「愛着がわいてきた彼らの行く末をしばらく追いかけてみようかな」と意欲をみせて「中年三人組」はシリーズになった。来月3日には、その第3巻『ズッコケ中年三人組age42』が刊行となる。ズッコケは不滅のようだ。=敬称略(文 宝田茂樹)
◇
次回はプロ野球解説者、掛布雅之さんです。

