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【正論】「もと是れ神州清潔の民」 文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司 (1/3ページ)
日本の腐敗を食い止めるために
≪シベリウスの清潔な音楽≫
今年は、フィンランドの大作曲家シベリウスの没後50年にあたる。ノルウェーのグリーグの方は、没後100年で、北欧の2人の巨匠の人と音楽が、新聞、雑誌などでいろいろと取り上げられている。CDもさまざまなものが発売され、演奏会でもよく演目にのっているようである。
この2人の音楽家の作品を昔から愛してきた私としてはとてもうれしいことであり、これを機にその作品を聴き直しては感銘を新たにしている。特にシベリウスが好きで、その音楽に没入するように聴くのが常である。
シベリウスは、交響詩「フィンランディア」や交響曲第2番などがよく知られているが、前者はまさに「愛国」の音楽というべきもので、「愛国」というものの真情を感じとりたいならば、この音楽を聴くのがいいであろう。
交響曲第2番の方は、「森と湖の国」フィンランドの「自然」がその奥から感じられてくるような名曲だが、交響曲を本領としたシベリウスの7つの交響曲はすべてすばらしい。
その中でも第6番の交響曲を論じた文章で、英国の評論家、セシル・グレイはシベリウスの「他の多くの現代作曲家たちは、あらゆる色合いと銘柄のカクテルを作るのに忙しかったのに対して、私は聴衆に、純粋な冷たい水を提供した」という言葉を引用した上で、第6番は、シベリウスの音の泉からかつて流れ出た最も純粋で最も冷たい水であると書いている。
私が、シベリウスの音楽に強く心ひかれるのは、この「純粋な冷たい水」のようなところ、いいかえればその「清潔さ」である。北方のフィンランドの自然の中から生まれたシベリウスの音楽は、何よりもまず「清潔」なのである。
≪注目されるフィンランド≫
フィンランドは、今日、さまざまな点から注目されている。教育の方では、学力世界一ということで、その教育の原理を、学力低下の著しい日本の教育関係者が、強い関心を持って調査、研究している。

