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【断 二宮清純】「裏切り者」では解決しない

2007.11.2 03:52
このニュースのトピックスパ・リーグ

 エースと4番が同時に去ればチームはどうなるか。もうガタガタである。ただでさえ弱いチームがさらに弱くなる。

 そんな危機にさらされているのが広島カープだ。2005年の最多勝投手・黒田博樹はFA宣言してメジャーリーグへ移籍することが濃厚とみられている。黒田は昨オフ、球団と新たに4年契約を結んだが、メジャーリーグ移籍の場合は容認するとの条文が契約書には盛り込まれている。ヤンキースやレッドソックスなど既に数球団が黒田に興味を示しているといわれている。

 4番の新井貴浩もFA移籍か残留かで揺れている。新井といえば05年に43本塁打でホームラン王に輝いた強打者で、今季も打率2割9分、28本塁打、102打点と主砲の名に恥じない成績を残した。FA宣言すれば「打てるサード」が欲しい阪神あたりが獲得に名乗りを上げるのではないかとみられている。

 FA制導入以降、カープは江藤智(現西武)、金本知憲(現阪神)と次々に4番打者を他球団にさらわれた。財政事情の厳しいカープはFA選手に好条件を提示することができない。基本的には「去る者は追わず」の姿勢。チームも1998年以来、10年連続Bクラスと低空飛行を余儀なくされている。主力選手には「優勝を争える球団でやりたい」との願望が強いようだ。

 正当にFA権を行使してチームを去る選手に「裏切り者」のレッテルを貼(は)ったところで、物事は何も解決しない。主力選手がFA権を獲得する前に、他球団の有望若手選手と交換トレードを行うなど、もっと真剣に“防衛策”を講じるべきだ。カネがないのなら知恵をしぼるのが球団の責務である。(スポーツジャーナリスト)

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