ニュース: 文化 RSS feed
縄文人も渋谷暮らし? 4500年前の遺跡発掘
「トレンド発信地」や「若者の街」として知られる東京・渋谷。その高級住宅街の一角から縄文時代と弥生時代の大規模な複合遺跡が見つかり、渋谷区が発掘作業を進めている。周辺でまとまった数の住居跡などが出土するのは珍しく、専門家らは「当時のムラのネットワークを知る上での貴重な資料」と話している。4500年もの時を超え、突然「シブヤ」に現れた遺跡に注目が集まりそうだ。
遺跡の発掘が行われているのは、JR渋谷駅から南に約500メートル離れた渋谷区鶯谷町の外国人向け高級賃貸住宅「エバーグリーンパークホームズ」跡地。約1万6000平方メートルの敷地内に広範囲にわたって土器や住居跡などが次々と見つかっている。
関東の遺跡で複数確認されている縄文時代の柄鏡形住居跡や、埋甕(直径40センチ、高さ70センチ)など比較的珍しいもののほか、弥生時代のガラス玉なども発掘されており、出土点数は収納箱(縦60センチ×横30センチ×高さ20センチ)50箱分にも及んでいる。
渋谷区郷土博物館などによると、鶯谷町一帯は「西渋谷台地」と呼ばれ、約3000年前の縄文時代後期までは海岸沿いの高台だった。これまでにも、宅地開発の際に土器などが出土した例はあったが、多くが個人住宅や低層住宅の建設だったため発掘は小規模なものだった。専門家は「発掘された遺跡は海沿いの渋谷の台地に住んでいた人々の生活スタイルを解明する貴重な手がかりになる」と話している。
発掘作業は12月まで行われ、来年は隣接する「うぐいす団地」を取り壊し、跡地の調査が行われる。作業を主導している渋谷区は「今回の遺跡は、縄文中期の約4500年前から弥生時代にかけて、何代かにわたり、5、6戸の集落で人が生活していたことを物語っている。(遺跡の)保存状態は良く、隣接地域の地下にも遺跡がつながっている可能性が高い」と話している。
(前田明彦)

